2015
    09.14

    火花

    Category: オススメの本
    俺「へぇ?花火か、ええタイトルやな」
    友「火花やで」
    俺「え?」

    ……火花です。

    花火のシーンから始まります。


     火花

    ≪あらすじ≫
    僕達は、花火大会の会場を目指し歩いて行く人達に向けて漫才を披露していた。
    汗ばかりかいて、何の充実感もなかった。

    その後、僕は神谷さんと出会った。

    神谷さんは「人と違うことをせなあかん」ということを繰り返し言い、僕は神谷さんに「弟子にして下さい」と頭を下げていた。
    それは決してふざけて言ったのではなく、心の底から溢れ出た言葉だった。

    神谷さんは早くも僕に対して強い影響力を持っていた。
    この人に褒められたい、この人には嫌われたくない、そう思わせる何かがあった。

    神谷さんは「やり過ぎて大人に怒られなあかんねん」と語り、満足気に珈琲を啜った。
    「大人に怒られなあかんねん、という表現も、もはや月並み過ぎな不良ですもんね」
    神谷さんの前だと、なぜか僕は自分の思いを正直に話せた。

    それでも、僕は神谷さんに対する恐怖心が絶えずあった。いくら神谷さんが僕に優しく接してくれても、神谷さんの考え方や面白いことに対する姿勢に取り残されることが多々あった。

    「徳永、俺が言うたことが現実的じゃなかったら、いつも、お前は自分の想像力で補って成立させようとするやろ。それは、お前の才能でもあるんやけど、それやとファンタジーになってもうて、綺麗になり過ぎてしまうねん。楓に色を塗るのは、片方の靴下に穴が開いたままの、前歯が一本欠けたおっちゃんや。娘が吹奏楽の強い私立に行きたい言うから、汗水垂らして働いてるけど、娘からは臭いと毛嫌いされてるおっちゃんやねん」
    「そうですね」
    「新人の神様が塗り忘れた楓と、汚いおっちゃんが塗り忘れた楓、どっちがより塗り忘れてる? どっちがよりここにある?」

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    2015
    09.10

    100万回生きたねこ

    Category: オススメの本
    私は、本作があまり好きではありません。

    以前、この本の評価で、こんなことが書かれていたと思います。
    「主人公が悲しみに暮れて、死んでいるのに。ハッピーエンドが成立しているから、この絵本はみんなから愛されている」

    この話をハッピーエンドに思えない私だから、楽しめないのかもしれません。



    ≪あらすじ≫
    100万回も死んで、100万回も生きたネコがいました。
    立派なトラネコでした。

    100万もの人が、そのネコをかわいがり、100万もの人が、そのネコが死んだときに泣きました。

    ネコは、一回も泣きませんでした。

    あるときは、戦争で死に、海で死に、飼い主に殺されたときもありました。

    ネコは、戦争も海も、飼い主も嫌いでした。
    大嫌いでした。

    ネコは誰よりも自分が好きでした。

    ネコは、白い猫に出会いました。
    そして人生を自慢しましたが、白い猫は「そう。」と言ったきり。

    ネコが「そばにいてもいいかい。」と聞くと「ええ。」と白い猫は答えました。

    ネコは、白い猫のそばに、いつまでもいました。

    ある日、白い猫は動かなくなってしまいました。続きを読む
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    2015
    09.03

    ”文学少女”と月下を孕く水妖

    次巻が最終巻ということで、後半の数十ページは、遠子先輩の話でした。

    というか、その前の演説も十数ページに渡って、遠子先輩の独白でした。

    シリーズ中で、もっとも複雑な話で、圧巻の推理……いや「文学少女の想像」でした。


     “文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

     野村 美月 (著)
     竹岡 美穂 (イラスト)



    ≪あらすじ≫
    『悪い人にさらわれました。一週間分の着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください。遠子』続きを読む
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    2015
    08.29

    空とぶライオン

    Category: オススメの本
    私は、絵本や児童書を読んで、
    「深いなー!」
    とか言う人が嫌いです。

    そして本作を読んで、私は思いました。

    「深いなー!」


     空とぶライオン (講談社の創作絵本)

     著者・イラスト:佐野洋子


    ≪あらすじ≫
    ねことライオンは親戚だったので、一緒に暮らしていました。

    ライオンは、ごちそうしたくなり、空をかけて獲物をとってしました。

    毎日、とってきました、

    ねこは当たり前の顔をして、ごちそうを食べました。

    「ぼくの趣味は昼寝でね。」とライオンが言うと、ねこたちは笑いました。
    「ライオンは料理も冗談も一流だね。」と笑いました。

    ライオンは、くたくたでした。
    夜に、さめざめと泣くほどくたくたでした。

    ある日、もうライオンは起き上がれませんでした。
    金色に石になって眠っていました。

    「ライオンの冗談は、昼寝が趣味でね。だったね」と一匹のねこが言いました。
    ねこたちは、しーんとしてしまいました。続きを読む
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    2015
    08.13

    ”文学少女”と穢名の天使

    14才の「ぼく」は、大好きだった美羽に拒絶され、目の前で飛び降り自殺をされて、精神的に追い込まれた。

    嘔吐、不眠、過呼吸。

    一命を取り留めた美羽には障害が残り、今までのように歩いたり手を動かしたりできなくなった。

    もし俺が、まだ14才で、大好きだった女の子に拒絶され、その子が自殺未遂までしたら。。。
    そんな過去を持つ高校生の話です。


     "文学少女"と穢名の天使 (ファミ通文庫)

     箸:野村 美月


    ≪あらすじ≫
    ぼくは、琴吹さんに「大嫌い」と言われてしまった。
    琴吹さんは、中学時代のぼくを、、、美羽と一緒だったぼくを知っていたようだけど、ぼくは琴吹さんを覚えていない。
    たぶん、それが原因だと思う。

    どんな顔をして琴吹さんに会えばいいかわからないとき、子供みたいに泣きじゃくる琴吹さんに出会った。
    小さな体を震わせ、コートの袖口や制服のスカートを涙で濡らし、何度もしゃくりあげ、ようやく、なにがあったのかを話してくれた。

    水戸夕歌という親友が、なにも言わず突然引っ越したらしい。
    「琴吹さん、もう泣かないで。一緒に水戸さんのことを調べてみよう。水戸さんの学校に行って、水戸さんの知り合いに訊いてみたらどうかな? ね、ぼくも協力するから」

    水戸さんは、声楽を専攻していた。
    そして最近「音楽の天使」に出会って、劇的に才能を開花させたらしい。それで次の発表会の主役にも選ばれている。
    でも誰も、音楽の天使なんて知らない。
    失踪の理由も知らない。

    琴吹さんは、水戸さんが「オペラ座の怪人」が好きだったことを思い出し、その天使と一緒にいるんじゃないかと推測した。

    調べていくうちに、水戸さんが学費のために援助交際を行っていたと判明する。続きを読む
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    2015
    08.05

    "文学少女"と繋がれた愚者

    頑なに友達を作ろうとせず、誰からも少し距離を置いて学生生活を送る"ぼく"に対して、遠子先輩はお節介を焼いていました。
    「だって、来年になったら、わたしは卒業して、いなくなってしまうから。そうしたら、一人の文芸部になっちゃうでしょう」

    そうなのよ!
    これが先輩なのよ!

    やがて"ぼく"は決心します。
    「友達になろう。いつか喧嘩しても、別れても、今、きみと友達でいたい」

    泣いたー!


    "文学少女"と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

    ≪あらすじ≫
    美羽がぼくにくれた言葉は、どれも砂糖菓子のように甘く感じられた。
    あの頃のぼくは、まさに恋する馬鹿者で、足が地面についていなかったし、笑顔の垂れ流し状態で、救いようのない夢想家だった。

    けれど、ぼくは井上ミウという筆名で、小説家デビューし、美羽を失った。

    そんなぼくも高校二年生になり、二人だけの文学部に所属していた。

    文学部部長の遠子先輩は、自称文学少女の変わり者だった。
    そしてぼくのクラスメイトの芥川くんが、本をカッターで切ろうとしたところを、遠子先輩が現行犯逮捕した。

    しかし先生には言わず、遠子先輩は芥川くんを演劇に誘った。文学部が文化祭で行う催し物だ。
    そしてぼくがシナリオを書くことになる。

    芥川くんは男前で、とても親切な人だった。
    本にしたことは、一瞬の気の迷いだろう。

    そんか芥川くんには彼女<更科さん>がいたらしい。でも今は付き合ってないみたいだ。
    そしてその件に関して、少し問題を抱えているようだった。

    ある日、芥川くんはウサギを惨殺した。続きを読む
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    2015
    06.26

    ”文学少女”と飢え渇く幽霊

    ぼくがなにをしたっていうんだ。
    ぼくは人間嫌いだったわけじゃない。生まれて初めて書いた小説がたまたま新人賞に選ばれて、それがたまたま史上最年少で、たまたまペンネームが井上ミウなんて女の子みたいな名前だっただけだ。
    なのに出版された本は勝手にベストセラーになり、勝手に"謎の天才美少女作家"なんて騒がれてーーそれと引き替えに、ぼくは大事なものをなくしてしまった。

    ぼくは平凡な中学生のまま、美羽の側で、美羽の笑顔を見つめ、美羽の語る木漏れ日のような美しい物語に耳を傾け、美羽の書いた鮮やかな言葉の数々に酔いしれ、それだけで心から満足し、世界や他人を恐れることなく、平和に幸福に生きてゆけるのに。


    文学少女シリーズの第2巻です。
    題材は「嵐が丘」です。


    ”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

    第一巻の記事はコチラ


    ≪あらすじ≫
    ぼくは、遠子先輩のために小説を書いていた。
    そして遠子先輩は、ぼくか書いた小説を「食べる」

    遠子先輩は、文学少女だった。

    そんな二人だけの文学部に、いやがらせの手紙が届くようになる。

    遠子先輩は、いやがらせの手紙の差出人を突き止めようと張り込みを始めた。
    もちろん、ぼくも巻き添えだ。
    そして深夜、文学部のポストの前に、幽霊のような少女が現れた。

    西洋の人形のように整っている綺麗な顔。
    肌は鬼火のように青白い。
    表情は洞窟のように空っぽで、感情というものが全くなかった。
    腕は、百歳を越えたお婆さんのように硬くて細く、その笑い声は軽やかな反面、執拗で病的に感じられた。
    そんな声で、幽霊は言った。

    「ふふ、そんなの無駄だわ。だってわたし、とっくに死んでるんですもの」続きを読む
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    2015
    05.29

    手持ちの鳥(目には見えない何か)

    Category: オススメの本
    「目には見えない何か」という本に載っている短編です。

    ベストセラー小説の書き方を書いた本で紹介されていた作品でもありますね。

    とっても短い作品ですが、ハラハラして、ドキドキして、最後は胸の奥が暖かくなる。
    そんな話でした。


     目には見えない何か



    ≪あらすじ≫
    ある日、ダグラスの家に、ハリーという新聞記者が訪ねてきた。
    ダグラスが、逃げ出したインコを見つけて、飼い主の家まで連れてってあげたことについて、小さな記事を書くためだ。

    しかしダグラスは歓迎しなかった。

    ダグラスは、過去に何度も逃げ出したインコを見つけては、飼い主の家に連れて行き、礼金をもらっていた。続きを読む
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    2015
    05.02

    林修の仕事原論

    Category: オススメの本
    「女性を口説くコツを教えてください」
    と聞くアホがいる。

    いいか、相手は人間だ。
    世の中には、多種多様な女性が存在している。
    それを口説くのに「コツ」だと?
    そんな精神的な怠慢さが、モテない自分を作っていると、なぜ気づかない!

    という話が出てきますが、それの仕事版の本です。


     林修の仕事原論

     いつ読むの?
     今でしょ!


    ≪あらすじ≫
    努力は、必ず報われる。
    だが、それは貴方があるべき場所で、すべき努力をした場合に限られる。

    頑張っても、仕事がうまくいかないなら、場所か方法か、どちらかに問題がある。
    続きを読む
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    2015
    04.28

    雪の女王

    Category: オススメの本
    今iPhoneのiBookは、いろいろな作品がタダで、読めるんですね。

    そして本作はアナ雪とは関係ない!
    ただの童話だ!


     雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語

     アンデルセン


    ≪あらすじ≫
    ゲルタとカイは、とても仲良しの女の子と男の子でした。
    そして、ある雪の日。
    カイの瞳の中に、キラキラした何かが入りました。

    その日から、カイは変わりました。
    人の癖を真似するようになり、イジメもするようになりました。

    カイは、ひとりで遊び、そして雪の女王に出会い、頬ずりされてしまいます。

    そしてゲルダは、カイは死んでしまったかと思うようになりました。

    あるとき、ゲルダが川に流されました。
    そして、知らない土地で、知らないおばあさんに出会いました。
    ゲルダは、おばあさんの優しさと美しい花園に、すっかり魅了されてしまいます。
    しかし、それはおばあさんの魔法の力でした。続きを読む
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