2014
    04.23

    アスリートの魂「最強の補欠になるブルージェイズ川崎宗則」

    Category: その他   Tags:再読タグ
    「野球選手だから」
    という川崎宗則選手の言葉で、私は泣きそうになりました。

    ツラい事があっても、プレッシャーに負けても、球場に行って野球をするしかない。
    野球選手になりたいと願って練習してきて、本当に野球選手になった今は夢の中だから、頑張るしかないと語る川崎宗則選手の表情は、お世辞にも楽しそうではありませんでした。

    でも、夢を追うって生き方は、こういう姿勢を指すかもしれません。


     逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法

     今年もトロント・ブルージェイズだそうです。


    ≪あらすじ≫
    川崎宗則は、日本から遠く離れたアメリカの地で、大リーグへの挑戦3年目を迎えていた。
    今年で32才になる。
    もう後はない。

    かつて川崎宗則は、日本を代表する遊撃手で、二度の日本一にも貢献していた。それが大リーグに挑戦すると一変。打撃でも守備でも、一流の成績は残せなかった。
    そんな状態でも、マイナーではなくメジャーに残る為に、川崎宗則はブルージェイズのキャンプに参加していた。

    川崎宗則は、本来キャンプが始まる日付よりも早く現地入りしていた。
    このキャンプで、良い成績を残せなければ、メジャーには残れない。
    でもキャッチボールの相手もなく、孤独な練習だった。
    それでも川崎宗則は笑顔で話した。
    とにかく川崎宗則は、やるしかなかった。

    開幕でベンチ入りできる選手は、たったの25人。
    川崎宗則の実力では、レギュラーを獲得するのは難しい。
    だからこそ川崎宗則は、本来の守備位置ではない場所も守った。
    それも内野外野を問わずに守る。

    川崎宗則は「最強の補欠」を目指していた。
    日本では28人が一軍に登録されるが、大リーグでは25人しかいない。
    そこから投手と捕手を抜くと、野手は10人足らずしか入れない。
    うち7人はスタメン出場する。
    つまり残りの三人で、代打や守備固め、代走などをこなさなければならない。
    そこに、川崎宗則の生きる道があった。

    全ての野手の守備位置を守れ、代走も代打もできれば、レギュラーになれずともベンチに入れる。
    しかし、その為の課題は多かった。

    外野を守った経験が少ない為、川崎宗則は難しいフライを捕球できない。
    内野の守備でも、きわどいタイミングで求められる「逆シングル」という捕球姿勢が不得意だった。

    さらに打者としても、川崎宗則は力不足だ。
    キャンプの打撃練習で、同じチームの投手の球を打っても、なかなか前に飛ばない。
    川崎宗則は、全てのプレイを成長させなければダメだった。
    そして川崎宗則は、英語も未熟だ。
    やるべき事は山ほどある。

    川崎宗則は、キャンプ地の近くに家を借り、妻と子供との3人で暮らしていた。
    子供の為に、慣れた日本で生活すべきではないかとも考えたが、夢を捨てられなかった。

    川崎宗則は、紅白戦に参加する。
    その中の、たった1打席で、首脳陣にアピールする必要がある。
    またオープン戦でも、慣れない守備位置で参加し、結果を出す必要があった。

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    ≪感想≫
    昔、私は野球が嫌いでした。
    しかし野球が好きになり、野球選手が好きになりました。

    どのスポーツでも同じですが、そのスポーツの中身だけでなく、そのスポーツに携わる人たちや、その仕組み、そこで行われている駆け引きや人情は、フィクションの小説に引けをとらない面白さがあります。
    もっと子供の頃から、スポーツを見て、考えていたら、私は今ほどマヌケには成長しなかったように思いますね。

    野球は、デブでもガリでも、チビでもノッポでも参加できる不思議なスポーツです。
    それぞれのポジションに適した体型があり、求められる役割があります。

    野村克也さんは著書で、それぞれのポジションには、適した性格があると語っていました。その為に監督時代は、選手のロッカールームが片付いているかとか、道具の扱い方とかを観察していたそうです。
    私からすると、配球とそれに関する読みには、人間性がモロに出る感じがしますね。

    たぶん野球ほど、人間の本性が透けて見えるスポーツはないと思います。

    また番組中で、川崎宗則選手が、大リーグの魅力について語っていました。
    「面白いなってプレーを見せてもらって。やりたいなって自分があって、ここにいる」
    こういう観点で野球を見た経験がなかったので、かなり驚きました。
    でも言われてみれば、川崎宗則選手の言う通りな気がします。

    日本では「基本」という最強の概念があって、それを疎かにすると怒られますし、試合で使ってもらえません。
    でも海外の野球は違っていました。
    逆シングルでもアッパースイングでも、結果を出せば認められます。

    今までの日本では認められませんでした。
    マグレだ、とか言われて怒られます。
    私も何度も怒られました。
    私は「絶対こっちの方が良い」と思って練習して実践したのに。
    しかも結果を出したにも関わらず「基本に忠実じゃない」と怒られました。

    この流れは変わりつつあるようです。
    でも大リーグでは、それが当たり前。

    その中で川崎宗則選手は、陽気なキャラクターと最強の補欠を目指す事で生き残ろうとしています。
    バカにされる事もありますが、川崎宗則選手の情報は、日本の野球ファンの耳にも簡単に届いてきます。

    よく、大リーグに挑戦した日本人選手が、春の間にしか話題にならず、いわば行方不明のようになります。それは、そこそこ通用している選手でもあります。
    しかし川崎宗則選手は全く行方不明にならない!
    これは、かなり凄い事だと思います。

    武井壮さんも言ってましたが、スポーツ選手は見てくれてる人に支えられて成立しています。例えば野球が不人気スポーツだったらイチロー選手だって、誰からも尊敬されず、お金だって稼げなかったでしょう。
    そういう意味で、ファンへのアピールを欠かさない川崎宗則選手は、スポーツ選手の鑑と言えるかもしれません。

    また番組中に、ディッキーという投手が出てきました。
    ナックルボールと呼ばれる特殊な変化球を投げる投手です。

    私の記憶が正しければ、ナックルボールって球種は「100キロ前後で、リリースから捕球までに一回転半するように投げれば最も変化する」と言われているはずです。
    多くのナックルボール投手は、山なりのボールを緩慢な投球フォームで慎重に投げています。

    それをディッキーは「速くナックルボールを投げた方が打てないじゃん!」って感じで腕を振り、130キロを上回るナックルボールを投げ、大リーグで投手に与えられる最高の栄誉「サイヤング賞」を獲得しました。
    異常です。
    でも、これが正解でしょう。
    速く投げれば、その分だけ空気の抵抗が増え、変化量も増えます。タイミングだって取りにくいはずです。

    ディッキーは、今までの常識を覆し、新しい投球スタイルを確立しました。
    日本でも、ディッキーのような投手が出てきてほしいですね。
    特に、球界に山ほど腐っている球が速いだけの役立たずな投手は、ナックルボールを覚えて、一気に沢村賞投手に成長してほしいです。
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