2014
    04.12

    おくりびと

    死んだ後、肌の乾燥と皮膚の収縮により、ヒゲが伸びたように見えるそうです。
    怪談みたいですね。


     おくりびと [DVD]

     出演:本木雅弘、広末涼子 他


    ≪あらすじ≫
    小林大悟は、オーケストラの一員としてチェロを演奏していた。
    しかし楽団が解散してしまい、失職する。
    無理して高価なチェロを買ってしまった為に、多額の借金だけが残った。

    妻も働いていたが、ウェブデザイナーという仕事では、借金どころか暮らしてもいけない。

    仕方がなく、小林大悟はチェロを売り払い、山形の田舎に帰る決断をした。
    妻も一応は賛成してくれた。
    家賃のかからない家の保証が決め手だ。
    それが雪が降る頃の出来事だった。

    小林大悟は仕事を探し、長野で条件の良い仕事を見つけた。
    仕事内容は書いてないが、正社員として雇ってくれるなら文句はない。
    話を聞きに行くと、名前を聞かれる前に採用されてしまった。
    しかも給料は月50万円だ。

    でも遺体を棺に納める仕事だった。
    「まぁこれも何かの縁だ。とにかくやってみて、向いてないと思ったら辞めたらいいさ。はい今日の分」
    社長に、数枚の万札を握らせられてしまっては、断れなかった。
    そんな話を妻にできるはずもなく、小林大悟は「冠婚葬祭に関する仕事」とだけ言って、おみやげで話を誤魔化した。

    そして初出勤。
    棺桶の説明を受けていると、仕事の電話がかかってきた。
    でも遺体の処理とは関係ない。
    「納棺の手引き」と呼ばれるビデオの遺体役だった。顔を白く塗り、オムツをして布団に寝る。そしてヒゲ剃りの時に、ほっぺを切られてしまった。

    後日、本当の初仕事が来る。
    死後2週間の遺体を処理する仕事だ。
    ハエがたかり、肉体が崩れているが、かつて生きていた人間だった。

    小林大悟は、特別手当てをもらい、家に帰される。
    その帰り道、女子高生の反応で、自分の体が匂うと気がついた。
    小林大悟は、子供の頃に来た記憶のある銭湯に行き、全身をくまなく洗った。
    そこで、旧友に再会した。この銭湯は、旧友の母親が営んでいた。
    そして50年も通っている常連もいた。

    家に帰った小林大悟は、解体されたばかりのニワトリを見て、吐きそうになる。そして妻の体の温もりを求めてしまった。

    別の日は、ふつうの葬儀の、ふつうの納棺だった。
    社長が素早く丁寧に体を拭き、着替えさせ、化粧を施し、棺に入れる。
    一言も発さず、布のこすれる音だけをさせて行う納棺の儀式は美しく、精一杯に生きてきた人間の最期として、優しさに満ち溢れた儀式だった。
    そして遺族から、御礼の言葉と干し柿をもらった。

    小林大悟は、少しずつ仕事を誇りに思えてきた。
    でも、妻には言えてなかった。

    その後、旧友から注意された。
    「もっとマシな仕事さ就けよ」

    同日、妻に死体役をした手引きビデオを知られてしまった。
    妻は、小林大悟の仕事を「恥ずかしい」と言った。
    ふつうの仕事をしてほしかった。
    妻は、オーケストラの仕事を失った時も、田舎に帰る決断をした時も、嫌だったけど何も言わなかった。しかし、今回だけは違っていた。愛する夫には、もっと似合う仕事をしてほしかった。

    でも小林大悟は辞めるつもりがなかった。
    妻は、実家に帰ってしまった。

    それでも小林大悟は仕事を続けた。
    そして修羅場に遭遇する。

    若くしてバイク事故で亡くなった娘。
    小林大悟が、化粧を施すと、母親が「違う。私の娘はこんなんじゃない。やりなおせ」と言い出した。
    そして夫が「お前の育て方が悪かったから、こんなんになったんだ」と言えば「それはお前も一緒だろ」とバイク事故を引き起こした張本人が言い、ケンカになる始末。
    そして仲裁役が、小林大悟を指差して言いのけた。
    「一生あの人みたいな仕事をして償うか?」

    小林大悟は、初めて仕事を辞めようと思った。

    そんな中で、小林大悟は自分の最初の納棺の儀式で、ちょっとしたハプニングに遭遇してしまった。
    女性かと思われていた故人に、チンコが付いていた。

    母親が、女の子供を望んだから、女として育てられ、若くして練炭自殺したらしい。
    そして女として納棺した後に、父親にも感謝された。

    納棺の仕事は、辞められなかった。

    そうして小林大悟は、多くの人々を送り、その間に冬が過ぎていった。そして、妻が帰ってきた。妊娠が発覚したらしい。
    妻は、これで仕事を辞めてくれると思っているようだった。
    そこに、一本の電話が入った。
    銭湯お営んでいた旧友の母親が亡くなった。

    その納棺の儀式を小林大悟が務める。
    その場に、妻も旧友も立ち会った。
    小林大悟が行う納棺の儀式は、繊細で、丁寧で、思いやりがあった。
    妻は、仕事を辞めろと言わなくなった。

    やがて春になり、妻のお腹が大きくなり出した頃、小林大悟の父親の訃報が入った。
    小林大悟が幼い頃に、女を作って出て行った父親だ。
    顔も覚えていないし、良い思い出もなかった。

    小林大悟は説得されて、最期の姿を見に行く。そして乱雑な葬儀屋を制止して、自分の手で最期の身支度を済ませた。

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    ≪感想≫
    地味に広末涼子のエロシーンがある映画でした。
    過剰な感じではありませんでしたが、それがまた良かった気がします。

    そんな素晴らしい広末涼子さんの演技の中で、ちょっと変な場面がありました。
    小林大悟の仕事内容を知り、実家に帰ると言い出したシーンです。
    止めようとした小林大悟の手を振り払い「けがらわしい!」と妻は言いました。

    えー、けがらわしいって女子が使う言葉でしたっけ。

    私もなかなかけがらわしい人間ですが、こんなお叱りは一度も受けた経験がありません。
    脚本家の小山薫堂さんが書いたか、それとも広末涼子さんが独自に解釈して選んだ言葉か存じませんが、なんか変だなーと思ったセリフでした。

    また亡くなった父親と再会したシーンで「あなたのお父さん」と言った意味も理解できませんでした。
    マンガなら、誰のセリフともなく文字で書かれるだろうって感じです。せめて疑問系な良かったと思いますね。
    でも、その直後の「夫は、納棺師なんです」と言ったシーンは最高でした。言葉そのものの意味だけでなく、初めて小林大悟の仕事を認めたような、そんな価値が感じられるセリフでした。

    またに、美味そうな干し柿を食べるシーンがあります。
    美味そうでした。
    マジに美味そうでした。
    腹減りました。

    他にも白子やフライドチキンを食べるシーンもありました。
    アツアツでした。
    ヤバかった。。。

    「生き物が生き物を食って生きてる。死にたくなければ食うしかない。食うなら美味い方が良い」
    こんなセリフが出てきましたね。
    死を通じて、生を考える作品でした。

    そういえば「エックス」というマンガに、似たようなセリフが出てきますね。
    ある少女が、金持ちの家に助けられ、風呂に入れられ、髪を整えられ、素敵な服を着せられて、可愛がられる。少女は、それを受け入れるが、食事だけは摂らない。
    金持ちが心配して聞くと、少女は「まだ生きるか決めてない」と言ったはずです。
    「食べるという事は、生きるという事だから」

    少し前に「最近の若者は無気力無感動だ」などと言われましたね。
    もしかしたら、こういう事が関係しているかもしれません。
    <記事タイトル一覧><気に入った文章集>
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    心から願えば叶う異世界に召喚された少女たちが、その世界の危機に立ち向かう。
    しかし、その危機こそが「願い」から生まれていた。
    <魔法騎士レイアース>

    物質を再構築する魔法。
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    <マテリアルパズル>

    デイヴには魔法使いの素質があった。
    そして1000年以上も前から続く戦いに終止符を打つ。
    それは魔法と科学の融合だった。
    <魔法使いの弟子>

    死に場所を求めていたミミズクが、美しい魔王に食べられたいと願い、夜の森に入る。
    <ミミズクと夜の王>

    登場人物が全員キチガイで、SEXしまくりで近親相姦までするし、道徳的な観念が全くない。
    そんな高校生たちの青春の日常。
    <ROOM NO.1301おとなりさんはアーティスティック!?>

    殺人を強制される精神状態になった優しい人が恋をする。
    その気持ちに共感し、次の行動が読める刑事がいた。
    しかし刑事は、もう刑事としての仕事を行いたくなかった。
    <レッド・ドラゴン>

    ゴミとも呼ばれるような男が、ボクシングを行い、恋をして、自分がクズでない事を証明する。
    <ロッキー>

    アシタカは、人助けでもらった呪いで、故郷を追われる。
    そして呪いの根源を発見するも、そこでは苦しみながらも一所懸命に暮らしている人たちがいた。
    <もののけ姫>

    かつて大切な仲間を失い、それ以来ずっと仲間割れをさせてから人殺しをしてきた男。
    そこに堅い絆で結ばれた海賊団がやってきた。
    <ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島>

    敵対する両家。その子供同士が恋に落ちる。
    それが世界の崩壊すらも引き起こす大問題に発展してしまう。
    <ロミオxジュリエット>

    盗難事件を潜入捜査しているつもりだったが、犯人を尊敬し、犯人の妹に惚れ、カーレースの魅力にとりつかれ、犯人の逃走を手伝ってしまう。しかし、それは失恋を意味していた。
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