2014
    02.11

    嵐が丘

    Category: オススメの本
    この作品のタイトルって、嵐が丘で良かったでしょうか。
    作中には、ワザリングハイツとルビがふってありましたが、それでも良かった気がします。
    隣の「鶫の辻」も意味が掴みにくいッス。

    また私にとって「不思議の国のアリス(記事)」シリーズ以来の二人称小説でした。
    どうやら私と二人称小説の相性は最悪のようです。
    不思議の国のアリスでは、良い意味で気味が悪いと言えましたが、本作では印象が悪くなるだけに感じられましたね。

    そもそも私が人の話を聞くのが好きなのは、その人の表情や声の調子から相手の考えを読み取り、相槌を使って自分の意見をほんのり伝える行為が楽しいからです。
    しかし、そういった描写や相槌が存在しない二人称小説は地獄でした。
    改めて、語り部がウザいくらい自己主張してくれる方が読みやすいと感じましたね。しかし後半はドキドキハラハラの展開で、あっという間に読めてしまいました。「罪と罰」と同様に尻上がりの作品だったようです。


     嵐が丘 (新潮文庫)

     著者:エミリー・ブロンテ
     訳者:鴻巣友季子


    ≪あらすじ≫
    ヒースクリフ氏は嵐が丘に住みながら、ツグミの辻を貸し出していた。
    借りようとしているのが、ロックウッド氏。
    しかし歓迎されるどころか邪険に扱われ、追い出されそうになった。
    ヒースクリフの息子は、すでに亡くなっており、キャシーと一緒に暮らしていた。

    そしてヒースクリフ家の人々は、ここの大地のように心が荒廃していた。
    不気味な雰囲気を漂わせている。

    ロックウッドは、その理由をディーンおばさんから聞く。
    それは去年の冬までに起きた出来事だった。

    キャサリンは、厳しい扱いを受けており、家族の関係も悪かった。
    若き日のキャサリンには、リントンという意中の人がいた。
    そこに若き日のヒースクリフが立ちはだかった。
    しかしキャサリンとリントンは結婚。
    そしていざこざが原因で、キャサリンは病にかかった、気がした。

    その後、イザベラとヒースクリフが駆け落ち。
    しかしヒースクリフはイザベラを愛していなかった。
    ヒースクリフは、ただ意地悪をしているだけだ。
    でもヒースクリフは、キャサリンの病が気のせいではないと気づいていた。

    気も体も病んでいたキャサリンは出産して、亡くなった。

    その後、無事に育ったキャサリンの娘と、ヒースクリフの息子が出会い、ヒースクリフとも出会った。
    キャサリンの娘であるキャシーは、好奇心旺盛ながら優しい淑女だった。
    ヒースクリフの息子は病に倒れた。
    キャシーは持ち前の優しさで可能な限り看病する。
    しかし親の関係性の手前もある為、充分な看病とは言えなかった。
    やがてヒースクリフの息子は、死んでしまう。

    すみません。一生懸命に読んだつもりですが、何が何だか掴めないうちに読み終わってしまいました。
    語り部が物語に無関係な話で、登場人物に感情移入ができず、世代交代もあいまって混乱してしまいました。
    自分の読解力のなさを露呈して、とても恥ずかしいです。
    でも時代がいきなり戻った上にキャシーもキャサリンもキャサリンで、ヒースクリフもヒースクリフの息子もヒースクリフって書かれると混乱してしまいます。

    たぶん、もう一度読んだら楽しめそうです。

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    ≪感想≫
    「死んでやる!」という趣旨の話が何度か出てきます。
    時代劇も同じですが、昔って本当に命の価値が低かったなあと思いますね。
    出産で亡くなる方もいたそうですから、妊婦さんの数って今より何倍も多かったでしょう。
    今は晩婚化が進んでいますけど、昔は「女は子供を産んでこそ」みたいな風潮があって、その競争が大変だったようです。
    女性の社会進出によって、色々な事が健全化されている気がしますね。

    またヒースクリフは、口が悪くて優しいという男でした。
    なんとなくモテ男の典型じゃねぇかと思いましたが、あまり作中ではモテてませんでしたね。読者の好感度アンケートとかしたら上位に来るかもしれません。
    またキャシーも、理想的な幼女でした。
    ロリコンには堪らない幼女だったと思います。
    私は「赤毛のアン(記事)」の方が好みですが、キャシーもなかなかです。

    さて「ゲド戦記(記事)」の記事中で私は「全てを言葉で説明してしまわない方が良い」という趣旨の話をしました。
    アニメーションなら絵で説明するべきだし、会話で説明するにしても、言葉の端から想像できる程度にすべきだと私は考えています。

    では小説なら言葉で説明するべきか。
    私は違うと思います。
    地の文で全てを説明してしまったら面白くないと思います。

    私も箇条書きの作文を読んだり書いたりしてましたが、あれは小説ではありません。
    小説なら会話や感情を含めながら、関節的に描写していくべきだと思います。
    「指輪物語」の冒頭は、読んでいて地獄にいる気分でした。
    設定や環境の説明は、作り手は面白いかもしれませんが、読んでいる方は地獄です。

    昔の小説や、海外の小説は、説明部分が長くて困りますよね。
    読んでいて、作中の時間の感覚が狂ってしまいます。
    そういえば優れた漫画家は、時間を飛ばしたり、ゆっくりにしたりする演出が上手いと言いますが、小説家にも同じ事が言える気がしますね。
    読み手が混乱しないように、読む人の時間と速度を計算しながら書ける小説家が、最も優れているように思います。

    「嵐が丘」は紛れもない名作です。
    でも、やっぱり小説も時代を経て進化していると感じました。

    未完の大作より完成した駄作。
    と言いますが、昔の名作より今の駄作な気がします。
    ちょっと、ここまで偉そうに書き過ぎているので弁明も書かせて頂きます。一応こういうブログをやる上で「小説の書き方」みたいな本を何冊も読みました。もちろん、その程度で小説制作論を熟知しているなんて自負するつもりはありません。しかし小説が時代を経て洗練されていくうちに生まれた禁止行為くらいは理解できました。野球やアメフトにある複雑なルールと同様に、小説制作論にもルールと、それが定着した理由があります。しかし翻訳された海外の作品を読んでいると、日本と海外ではルールが異なっていると感じます。これを日本語に訳す人の苦労を考えると吐き気がしますね。個人的には、訳者の色が出る翻訳が好きですが、これを叩く人もいます。だからって中途半端な翻訳は読みにくくて仕方ありません。
    そんな事を考えながら読んでしまった私は阿呆ですね。

    たまに知識が行動の邪魔をする場合がありますね。
    私は頻繁に知識に邪魔をされる、というか判断を誤ります。
    そして今回の読書も、聞きかじった知識に邪魔されてしまったようです。
    <記事タイトル一覧><気に入った文章集><不思議の国のアリス><赤毛のアン><ゲド戦記>
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