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    2013
    10.13

    ジョー・ブラックをよろしく

    アンソニー・ホプキンスと言えば「羊たちの沈黙」「レッド・ドラゴン」で有名なハンニバル・レクター博士です。
    本作ではビルというオジサンを演じています。

    全く博士を感じない演技でした。

    狂気は感じず、おかたいビジネスマンって雰囲気でしたね。
    ついでに言えば、すでに老いに負け、切れ味を失った頭脳に戸惑っているように感じられました。

    博士を演じている時は、あれほど明瞭に物事を見通すような雰囲気を醸し出していたにも関わらず、本作ではオッサンです。
    狂気もなければ、恐れも感じない。年をとったせいか気が短くなり、築き上げてきた責任に耐えられなくなり始めている。
    魂は25才なのに、65才の体に入れられている感じがしました。

    花が枯れる前に色褪せた花瓶のようです。
    逆にレクター博士は、65才の体に300才の魂が入っているような雰囲気でした。

    これほど芸術的な演技分けは初体験です。


     ジョー・ブラックをよろしく [DVD]

     監督:マーティン・ブレスト
     出演:ブラット・ピット、アンソニー・ホプキンス 他


    ≪あらすじ≫
    富豪で多忙な男ビルは、65才になろうとしていた。
    しかし乾いてはいない。
    娘の人生を心配して、恋に関する説教をするようなロマンチストだった。
    「言い古された表現だが、恋は情熱だ。相手なしでは生きられないという想い。無我夢中で互いにのめり込んでいく。頭じゃない。ハートの声を聞くんだ。その声が聞こえるか。その経験のない人生など。恋を知らない人生は、意味がない。その努力をすることが生きるってことだ」

    その娘が、ある青年と出会った。
    ビックリするほどイケメンで、若いくせに優しい男だった。

    気が合い、一緒にコーヒーを飲み、男女に関する話をする。
    そして好き同士になってしまった。
    恋に関して、父と同じ言葉を選んだ青年は、別れた直後に事故で死んだ。

    そんな中、ビルは胸や腕の痛みに苦しめられ、幻聴を聞くようになっていた。愛を語った老人に興味が湧いたらしい。
    やがてビルは、声の主に会う。

    声の主は、こう名乗った。
    「千年に永久を掛けてから無限の時を加えろ。それが私の年齢だ。最近、人類に関心を抱き始めてね。全ての存在をつかさどる私が退屈と好奇心からキミを訪ねた」
    さらに声の主は、死んだ青年と同じ姿をしていた。

    青年は、ジョー・ブラックを名乗り、ビルと生活を共にする。そして娘とも・・・
    全ては興味を満たす為だった。

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    ≪感想≫
    最初にアンソニー・ホプキンスの演技について書きましたが、負けず劣らずブラッド・ピットの演技も最高でした。
    いろいろな事に驚き、味わう姿にハラハラしましたね。
    本当に、人間じゃないように思えます。

    ピーナツ・バターをアイスクリームみたいに舐める姿は、まるで子供のようでした。
    キスもセックスも、まるで生まれて初めてしたような態度と顔つきです。
    そして、そんな姿に魅力を感じましたね。

    ミステリアスな魅力。というモノは架空の感覚かと思っていました。しかし本作のブラッド・ピットは、間違いなくミステリアスな魅力に満ちた男です。
    そういえば「ファイトクラブ」でも、謎が多い男を演じていましたね。
    ブラッド・ピットには、そういう役が合うようです。
    そのくせに微笑む時は、仏のような笑みを浮かべていました。

    そして、ずっと食べてました。
    あんなに人が食べている映画は珍しい気がします。
    私もピーナツ・バターが食べたくなりました。

    一応、日本語で言えば「全知者」の役を演じたっていう認識で良いはずですが、かなり優しい全知者でしたね。

    迷いがあり、恐れがあり、思いやりがある。
    そして冒険心も持っていました。

    素晴らしい全知者です。
    こんな神がいたら、きっと世界は平和に保たれていたと思います。

    また、報道社の社長ビルが案内人に選ばれるという設定も良かったと思います。
    強いメッセージを感じますね。
    昨今、報道機関が権力を振りかざし、世間に働きかける報道が増えています。
    私に、海外で長く暮らした経験はありませんが、話を聞く限り海外でも日本と同じように偏った報道がされる場合があるそうです。

    アメリカなどでは、有名人が支持政党を明らかにして、選挙活動を応援する事もあるようですし、その方が良い場合もあるかもしれません。
    報道社が互いに対立していれば、偏った報道も面白味があります。
    そういう意味では、日本でも有名人が支持政党を明らかにしたら面白いかもしれませんね。
    政治に関わる人や興味を持つ人が増えれば増えるほど、政治は良くなるはずです。
    そして、この映画とは関係ない話ですね。

    話を戻す為に、ひとつ会話を引用します。
    「なぜ好かれてると?」
    「欠点を許してくれるから」

    好きな人の失敗は愛らしく感じられますよね。
    しかし嫌いな人の失敗にはハラワタ煮え繰り返る思いをします。

    愛とは?
    という数多の解答がある質問に答えるには、ピッタリのセリフかもしれません。

    やはり「愛」をテーマにした映画は最高です。

    そして本作には「無思慮だけど義理堅く、善悪の区別がつき、責任を感じられる男」が登場します。
    私のようなバカが、急に賢くなるなんて叶いません。
    しかし他人を思いやる気持ちがあれば、良い人間であると言える気がしますね。
    少なくとも、胸を張って生きられるはずです。

    また2人の娘の演出も素敵でした。
    複数の家族愛を描きながら、人生の重みを感じさせる。
    自然と胸が締め付けられる素晴らしい演出でした。

    私は滅多に音楽は褒めませんが、音楽が素晴らしい映画でした。
    チープな音楽を聞きたくないからホラー映画を見ないような人間です。
    しかし本作は、物音一つとっても美しい音楽と化していました。
    音楽は雰囲気作りから。と言われますが、本作ほど美しい雰囲気の作品はないと思います。

    さて原題は、ミートジョーブラックと言うそうですが、この邦題は、いかかなものか。
    これを日本語にすることは不可能ですから、思い切って違ったタイトルをつけて欲しかった気がします。
    全ては興味を満たす為です。
    ある意味ピーナツ・バターが満たしたかもしれない時間でしたが、とにかく最高の映画でした。

    そういえば、ピーナツ・バターの味がするキスみたいな演出があっても良かったかもしれませんね。
    いや、いらないか。
    死と税金・・・ないか。

    邦題を付ける仕事って大変そうです。
    <記事タイトル一覧><気に入った文章集><羊たちの沈黙>
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    <魔法使いの弟子>

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    <レッド・ドラゴン>

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    <ロッキー>

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    <ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島>

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    <ロミオxジュリエット>

    盗難事件を潜入捜査しているつもりだったが、犯人を尊敬し、犯人の妹に惚れ、カーレースの魅力にとりつかれ、犯人の逃走を手伝ってしまう。しかし、それは失恋を意味していた。
    <ワイルドスピード>
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