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    2013
    09.05

    電波男

    Category: オススメの本
    本書は「オタクによるオタクの勝利宣言書」だそうです。

    30過ぎても結婚できない負け女が、自分よりも下の存在に安心するために、オタクはキモいと大声で連呼しているからオタクの立場が悪くなっただけだ。
    オタクは迷惑を撒き散らさないし、無害な存在だ。
    「負け犬女の鬼婆化」には負けないぞ。

    だそうです。

    ひえーーー。
    これを女性が読んだら重たいバッグで殴られそうですね。
    でも日本における恋愛価値観の変化や宗教観など、よく調べられた上で書かれている本です。


     電波男

     著:本田透


    ≪あらすじ≫
    著者は「フルーツバスケット」の主役と同じ名前を名乗り、38才の独身で、貯金もなく、服はユニクロで全身黒で統一。頭は五分刈りだと自分を紹介しています。

    この時点で、今後登場するであろう主張が想像できてしまいますね。
    そして、ほとんどの人が似たような感想を抱く気もします。

    本田透さんは、自分を恋愛とは無関係の人間だと言っています。
    それを逃げと取るか、達観と取るか。受け取り手によって違うと思いますが、本田透さんは恋愛の価値が高まり過ぎている現在を憂いてらっしゃいました。

    恋愛の価値が高ければ高いほど、求められる水準が高くなり、格差が広がる。
    言われてみれば、情報化社会が格差拡張に拍車をかけている気もします。
    そして本田透さんが真実の愛について嘆く部分には、つい口角が上がってしまいました。

    この人はピュアですね。
    恋愛ゲームのような恋愛以外は認めないような書き方をされてました。
    特に、処女が相手でなければ真実の愛は生まれないという主張は、かなり面白いと思います。

    本田透さんは、恋愛資本主義と売れ残った女たちの「オタクよりは私たちの方がマシ」という腐った考えを問題視されていました。でも読んでいて「恋愛の価値が上がった一方で、結婚に価値を見出してない人たちが問題かな」と感じました。
    一部の女性には、結婚してしまうよりも独身のまま自由に恋愛する権利を大切に節があります。

    相手がオタクでも、結婚しないよりマシ。
    結婚できない女は、結婚してるオタクより人格に問題がある。
    こういう思想が蔓延すれば、オタク差別は減るかもしれません。

    結婚は、国益につながる行為ですから、国が扇動して結婚を促す必要がある気もしますね。

    また書中に書かれている通り、恋愛に顔面は重要ですが、本田透さんが自らおっしゃられているように、ファッションや体作りで、かなり補えます。
    流行を追いかける意味を理解してなければ到底できる努力ではありませんが、恋愛に失望していない人々が説得されてしまうような内容ではありませんでした。

    本田透さんによる、他人の言葉をもとに仮説を立て、次のページでは仮説が絶対的真実として語られる文書は、読んでいて退屈です。
    だって議論の余地がありませんからね。
    自分が正しいと思っている人の説得は不可能です。

    なんとなく他人の気持ちが理解できない人や、自分に非がある可能性を考えられない人の顛末を見た気がしました。

    物事を都合良く解釈する。
    これは本田透さんが非難する負け犬たちと、同じ思考回路です。
    だから、この本はコメディかもしれません。
    「バカって言う方がバカなんだよバーカ!!」という感じの本でした。
    しかし文章から虚しさと哀愁が溢れ出ています。
    この本は涙なしには読めません。

    「イノセンス(記事)」「マトリックス(まだ)」をロリコン万歳映画だと熱弁している部分など、特に不憫です。
    ていうか「罪と罰(まだ)」は風俗嬢萌え小説じゃねーよ。
    巻末の解説で、編集者の竹熊健太郎さんが必死に本田透さんを弁護してらっしゃいましたが、読んでいて苦しい内容でした。
    誰かを揶揄的に書いたとしても、必ず自分自身を落とすことも忘れない。その筆力は相当なものだ。
    と書かれてましたが、むしろ先に自分で自分を貶すことで他人からの攻撃を予防し、自分を守っているように感じられました。

    イケメンでもなく金持ちでもない僕ちゃんを認めない女はクソだ!
    みたいな事も書かれていますが、もしブスで見た目も気遣わず、掃除もできない38才の女に告白されたら、どうするつもりでしょう。

    「二次元彼女の欠点は掃除と料理をしてくれない点だ」
    と本田透さんは言ってらっしゃいましたが、男が女に求める要素として、この二点は最低な発想な気がします。

    その気になったら、負け犬女なんか三十秒で殺せるYO!(一字一句違わず引用)
    と自慢げに書く精神状態ってヤバくないですか?

    本田透さんが饒舌に語れば語るほど、悲しい気持ちになりますね。

    よくオタクは「作り物しか愛せない」などと揶揄されます。
    でも、ちょっと違う気もします。

    顔面偏差値にも依りますが基本的に、恋愛は女性優位の駆け引きで行われます。
    男は試される側で、女が偉そうにメジャーを持って器の大きさを測りに来ます。

    しかし女は、そのメジャーを持つために、並々ならぬ努力をしています。
    自分という泉に野獣が寄ってくるように、道路を舗装するように化粧で顔を整え、花咲くオアシスのように身だしなみを整え・・・詐欺だと罵られるような工夫すら平然と行われています。

    「自分が成長できるような相手と付き合いたいから」
    なんてフラれた理由がありましたが、それはフラれる側が、向上心を失ったような言動を繰り返したせいだと思っています。
    男女問わず、努力しがいのない相手とは付き合えません。
    現実どころか、フィクションでさえ「相手あっての恋愛だ」と言っているのに、この人は何故に相手だけが悪いと書くのか?
    そりゃ、自分のことを棚にあげないと本なんて書けませんからね。
    「思う存分毒を吐きたい男達!(記事)」で有吉さんも言っていました。
    当たり前と言えば当たり前です。

    【click!】

    知り合いの「人として終わってるオタク野郎」は結婚してしまいました。
    だから本田透さんも頑張れよ!!
    とはなりません。

    誰か一人が成功したからといって、他の人も成功できるとは限りません。
    成功者を例にあげて、他人に挑戦と努力を強制する考え方は横暴です。
    つまり本田透さんが恋愛や自分を高める思考を拒絶しても問題ありません。
    そして諦めた人を世間では「負け犬」と呼びます。

    本田透さんは、新たな価値観を提唱して、世間を変えようとされていますが、世間人から見れば、自分を正当化しようと必死で言い訳してるように見えてしまうでしょう。
    オタクの立場問題に限らず、今までとは違う発想をする人は嘲笑されます。

    本田透さんは意図して、嘲笑されてから意見を通そうと考えてらっしゃるかもしれません。

    概念もまた、自我に永遠性を付与するための発明品なのであるという。
    (これも一字一句違わず引用)
    などと、もっともらしく書かれていますが「なのであるという」は日本語として成立してるか心配です。

    文章の隅々から、必死に説得力を生もうとしている努力が伝わってきます。
    伝わってくるのである。って感じです。
    このエネルギーを別の物事に費やしていたら、本田透さんは偉人扱いされていたかもしれません。

    詳しくは知りませんが、本田透さんは肉感アスカというサイトを作り、毎日空想上のお嫁さんと送る新婚生活の様子を書き綴っていたそうです。

    空想上の妻と送る新婚生活って、どんな感じでしょう?
    想像すらできません。
    とてつもない想像力と充分な経験、そして空想上の嫁さんへの愛情がなければ新婚生活は送れないはずです。

    先ほどの偉人発言は、本田透さんをバカにしたものではありません。マジです。
    世が世なら、本田透さんは偉人扱いされていたでしょう。
    しかし現代では、キモい変態オタク扱いです。
    これが現実です。

    そして、それだけではありません。
    異性は当然として、同族に対しても「オタクは全員こう考えている!!」と断言なさる文面が多々ありました。

    私の経験上、オタクさんはデリケートな存在です。
    というかデリケートじゃなくても意見を決めつけられたら不愉快でしょう。

    本田透さんはオタクすら味方につけず、孤軍奮闘し続けるようです。
    いや、空想上の奥様がいらっしゃいますから、孤軍奮闘ではありませんね。
    大勢の賛同者によって支えられているはずです。
    存在しない人々に愛される気持ちって、どんな感じでしょうか。

    日本は民主主義国家で、多数派の大衆をボロカスに言っている本ですから、賛同はできません。
    でも現在、オタク市場は大きく成長しているそうです。
    もし、メディアに影響を及ぼすほどの力をオタク市場が持てば、オタクであることがステータスとして扱われる日が来るかもしれません。

    結局、一人の読者として「なに言っているんだコイツ」と思う本でした。しかし直接会って話をすれば、同意する部分が多くあるだろうと感じた本でもありましたね。

    伝えたい言葉と伝えるために使う言葉は全く違うってことを再認識した本でした。
    <記事タイトル一覧><気に入った文章集><フルーツバスケットの記事>
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    <魔法使いの弟子>

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    <ミミズクと夜の王>

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    <ROOM NO.1301おとなりさんはアーティスティック!?>

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    <レッド・ドラゴン>

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    <ロッキー>

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    そして呪いの根源を発見するも、そこでは苦しみながらも一所懸命に暮らしている人たちがいた。
    <もののけ姫>

    かつて大切な仲間を失い、それ以来ずっと仲間割れをさせてから人殺しをしてきた男。
    そこに堅い絆で結ばれた海賊団がやってきた。
    <ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島>

    敵対する両家。その子供同士が恋に落ちる。
    それが世界の崩壊すらも引き起こす大問題に発展してしまう。
    <ロミオxジュリエット>

    盗難事件を潜入捜査しているつもりだったが、犯人を尊敬し、犯人の妹に惚れ、カーレースの魅力にとりつかれ、犯人の逃走を手伝ってしまう。しかし、それは失恋を意味していた。
    <ワイルドスピード>
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