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    2015
    08.05

    "文学少女"と繋がれた愚者

    頑なに友達を作ろうとせず、誰からも少し距離を置いて学生生活を送る"ぼく"に対して、遠子先輩はお節介を焼いていました。
    「だって、来年になったら、わたしは卒業して、いなくなってしまうから。そうしたら、一人の文芸部になっちゃうでしょう」

    そうなのよ!
    これが先輩なのよ!

    やがて"ぼく"は決心します。
    「友達になろう。いつか喧嘩しても、別れても、今、きみと友達でいたい」

    泣いたー!


    "文学少女"と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

    ≪あらすじ≫
    美羽がぼくにくれた言葉は、どれも砂糖菓子のように甘く感じられた。
    あの頃のぼくは、まさに恋する馬鹿者で、足が地面についていなかったし、笑顔の垂れ流し状態で、救いようのない夢想家だった。

    けれど、ぼくは井上ミウという筆名で、小説家デビューし、美羽を失った。

    そんなぼくも高校二年生になり、二人だけの文学部に所属していた。

    文学部部長の遠子先輩は、自称文学少女の変わり者だった。
    そしてぼくのクラスメイトの芥川くんが、本をカッターで切ろうとしたところを、遠子先輩が現行犯逮捕した。

    しかし先生には言わず、遠子先輩は芥川くんを演劇に誘った。文学部が文化祭で行う催し物だ。
    そしてぼくがシナリオを書くことになる。

    芥川くんは男前で、とても親切な人だった。
    本にしたことは、一瞬の気の迷いだろう。

    そんか芥川くんには彼女<更科さん>がいたらしい。でも今は付き合ってないみたいだ。
    そしてその件に関して、少し問題を抱えているようだった。

    ある日、芥川くんはウサギを惨殺した。

    そのことで、ぼくはパニックを起こしそうだった。美羽のことを思い出して、つらかった。
    しかも、また図書室の本が切られたらしい。

    芥川くんは、どうして、、、

    しかし遠子先輩は冷静だった。
    「わたしは本を切ったのは芥川くんじゃないと思う。今回も、この前も。ねぇ? わたしと一緒に『本当のこと』を確かめてみない?」

    芥川くんには、五十嵐先輩という仲の良い弓道部仲間がいた。
    そして五十嵐先輩は、更科さんに好意を寄せていた。

    それは、ありふれた三角関係。
    しかし芥川くんは「オレは卑劣な人間だ。二人に憎まれても仕方がない」と語った。
    芥川くんは、やがて自傷を行うようになる。

    遠子先輩は、芥川くんが生き埋めにした過去を掘り起こすために、芥川くんが通っていた小学校に行くと言い出した。
    ぼくは、いやだった。
    美羽のことをだけでも苦しいのに、これ以上、、、

    その後、芥川くんが更科さんを庇っていたとわかった。
    更科さんこそが、うさぎを殺し、芥川くんに自傷行為をさせた犯人だった。

    更科さんは、小学生の頃から、ずっとずっと芥川くんが好きだった。
    だからこそ、なんでもした。
    芥川くんの弱みにつけこんでしまったんだ。

    しかし芥川くんは、更科さんのものにはならなかった。
    そして更科さんが、芥川くんのために他人を傷つけようとしたことで、芥川くんは決意してしまった。

    拒絶。

    更科さんは少しだけ微笑んで、自分の喉を切り裂いた。


    ≪感想≫
    芥川くんは、好みのタイプを聞かれて、こんな答えを言いました。
    「タイプというのは、特にないように思う。ただ……相手の意外な一面を見せられると、気になってしまう。普段は強気で意地っ張りなやつが、一人で泣いている姿を見てしまったときとか」
    んー!
    萌え萌えですなー!
    いわゆるギャップ萌えってやつですなー!

    というか最近、考えたんですが、
    好みのタイプって何さ?

    例えば、指原莉乃が好きだとして、好みのタイプってなんじゃろ。
    彼氏の写真を売れるような子がタイプ?
    不幸な感じ?
    ゲロブス?
    逆境を跳ね除けられる子?

    ・・・わからん。
    ぶっちゃけ好きに理由はないと思います。
    ただ共通点はあるから、それが好みのタイプってことなのかな。
    言葉では説明できないし、好みのタイプの子には、鬼のように嫌われるけどね。


    さて、本編に触れますが、芥川くんは小学生の頃、イジメを先生に報告したそうです。
    あまり友達のいない女の子<鹿又さん>は、いつも教科書やハンドタオルなどが、切り裂かれていた。
    そして芥川くんと鹿又さんが仲良くしていると、それを睨む女の子<小西さん>がいた。

    芥川くんは「言わないで」と言う鹿又さんの意思を尊重していたが、ある日たまたま小西さんが鹿又さんに言い寄っている姿を見てしまう。
    本人を知ったと思った11才の芥川くんは、先生に報告。
    その後、先生は小西さんを呼び出し、話をした。

    その日から、小西さんは鹿又さんをイジメ始めてしまった。
    鹿又さんの荷物を切り裂いていたのは、小西さんではなく、鹿又さん自身だった。

    芥川くんは、先生から「あなたのせいで鹿又さんはイジメられたのよ」と言われ、自責の念にも耐えられなくなる。

    そんな話がありました。
    悲しいですね。
    誰かのために。と思ってした行為が、裏目に出ることほど悲しい話はないと思います。
    マジで凹みますね。


    そういえば琴吹さんが、中学時代のぼくを知っていると明らかになりましたね。
    あの頃は、ずっと笑っていたのに、高校生になったら笑わない。いつも他人に合わせてて、別の人みたい。
    琴吹さんは、あの頃のぼくのそばにいてくれた女の子こそが、井上ミウだと予想して、敵視していました。

    こういうギミックは好きです。
    でも悲しい!
    誤解は悲しいです!

    さて、あらすじではカットしましたが、竹田という女の子が出てきました。
    これは一巻で出てきた?


    ぼくは、こんなことを言っていました。
    「本当に卑劣な人間は、自分のことを卑劣だなんて言ったりしないよ」

    ……いやー!!
    俺って卑劣だわー!!
    卑劣だわなー!!


    というか本作は凄いですね。
    最初に「芥川さんは誰が好きか?」という話を少しだけ入れておいて、最後の最後で大逆転!
    私は、てっきり遠子先輩が好きなのかと思って読んでいましたが、まさか更科さんだとは。。。
    つーか、中学時代から好きだったとか信じられないです。

    でも遠子先輩の想像と推理は完璧でした。
    やはり私には未だ読書量が足りていないようです。
    この本も、前に読んだことがありますが、ほとんど覚えていませんでした。

    だから最後に、芥川くんが頻繁に出していた謎の手紙が、朝倉美羽に宛てられた手紙だと知って、愕然としました。
    電車の中で、軽いパニックになりました。

    一応シリーズは読破してるので、美羽のことも、ぼくのことも知っていて、私はぼくに感情移入しまくっていたので、軽い過呼吸になったレベルでした。

    あの事件のあと、病院で足のリハビリしている美羽と、母の見舞いにきた芥川くんが出会って、友達になっているなんて。。。


    では最後に、リハビリ中の美羽のセリフを書いて終わります。

    「あんた、いつもそこで、こそこそ見てるのね。あたしは見せ物じゃないわよ」

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