2015
    01.29

    小説家になる方法 第二部 小説のノウハウについての私見

    Category: オススメの本   Tags:再読タグ
    本書は二部構成になっています。
    第一部は清水さんが、どんなふうに小説家になりたいと思い、どんな体験を積んで小説家になったかを具体例を交えて書いたり、トレーニング方法やチャンスの掴み方まで書いてありました。
    この第二部では、実際の小説の書き方講座、アイデアの出し方、キャラクターの作り方、取材の仕方、描写テクニックなど、技術面でのノウハウがまとめられています。


     小説家になる方法

     著者:清水義範


    ≪あらすじ≫
    A、書くための方策
    小説と体験記は違う。
    ミステリー作家は、人殺しではない。
    男性作家が、女性の主人公を書く場合もある。

    つまり小説の題材を探すために、旅行や冒険をして、数奇な体験をする必要はない。

    ただ、説得力の面で、全く知らない業界や舞台の話は書けない。
    そもそも知らない業界や舞台の話を書こうという発想がない。

    つまり「体験は、書く小説の土台」だ。
    そして「観察力」と「記憶力」と「想像力」をフルに働かせる。

    また取材は大切だ。
    現地に行くことや、経験のある人に話を聞く。
    これは出版社が協力してくれる場合もある。

    小説の末尾に、参考文献一覧表をつける。
    そのために、他人の小説を参考にしちゃダメで、インターネットの情報を参考にしちゃダメ。
    そして調べたことを書き並べてはダメ。
    あなたが書くのは小説であって、資料のまとめではない。


    小説は、アイデアで書かれているわけではない。
    書きたいテーマがあって、それを読者が読んでくれるカタチにするためにアイデアが必要になる。

    例えば『バードケージ』という小説を清水は書いた。
    これは三ヶ月で一億円を使うゲームの話だ。
    このゲームや、そのルールがアイデアで、そもそも清水は「現代人はお金を好きすぎて、そのことで、人生まで振り回されてるんじゃないか、という考えを持っていた。
    これがテーマだ。
    そしてテーマを実現するために、アイデアに肉をつけ、小説のカタチにする。

    大原則として、作家の中にないキャラクターは書けない。
    ここでいう「キャラクター」という単語は「人物像」を意味する。
    そして「書きたくなるキャラクターを設定すれば、うまく書ける」

    リアリティとは、現実性ではなく、真実味である。
    よく知らないことや、興味のないことを書いても、真実味は生まれない。例えば、あなたに娘も姪もおらず、女子高生の知り合いもなく、そんな子と話したこともないとしたら、小説の中に女子高生を出して、メールを打たせても真実味を欠く。
    しかし、若い作家が老人を主人公にすえる場合もあれば、ジェーン・オースティンやヘンリー・ジェイムズといった恋愛に縁のなさそうな作家も、幸福な恋愛小説を書いている。

    現実とはこの通りだ、という小説を書いても、あまり面白くならない。
    変な主人公でも「そんな人もいるかもしれない」という感じが出るなら、それだけでリアリティがある。
    突飛な行動でも、読者の共感が得られれば、それもリアリティ。
    それを実現するために、作家は人間を知る必要がある。

    書き出しのコツ
    単刀直入に、話の真ん中から始める。
    とはいえ読者の想像する手がかりを混ぜなければならない。
    そして読者に「おや?」と思わせる引っ掛かりを作る。

    小説の書き出しは、わかりやすく魅力的でありたいものである。

    B、小説家になる具体策
    新人賞は、プロになりたい人と、新しい人材を発掘したい出版社の目的が噛み合っている。
    そして何度ダメでも、投稿することで確実に文章力が向上している。

    他にも「同人活動に参加する」とか「ネットで公開する」などがあるが、あまり現実的ではない。
    結局は実力だ。

    C、小説家の日々の暮らし
    月曜から土曜日まで、10時ごろに起床し、13時過ぎから仕事部屋で書き始める。
    しかし来客もあり、インタビューに答える日も多い。
    自分の作品だけでなく、教育について聞かれる場合もある。

    そして18時から台所に立ち、妻と自分のために料理をする。
    その後、20時過ぎから23時まで仕事をする。
    夜中には、くつろいで疲れをとり、妻と楽しいひと時を過ごし、26時過ぎに寝る。

    また講演をしたり、テレビに出ることもあるが、偉そうなコメンテーターにならないように気をつけている。



    ≪感想≫
    小説は、旅行や冒険をして、数奇な体験をしなくても良いの!?
    ビックリです!
    アンビリーバボーですよ!

    でも確かに、旅行などの付け焼刃の体験で書かれた小説では、説得力が出ない気もします。
    と思ったら旅行取材の有効性が書いてあるよー!
    なんだこれー!


    清水さんは、図書館で10冊ほど資料になりそうな本を借りてきて、その中から2~3冊を参考にするそうです。
    それくらいの冊数を見れば役に立つ本が2~3冊あるそうです。


    さて、驚くべきことに、清水さんは長編小説を書き始めたときに、一日目や二日目は、ちょっと書いて終わりにするそうです。
    それくらい書き出しには慎重になれ!
    という話でしたが、長編小説は原稿用紙400枚を超える場合もあります。

    そんなペースで始めては、いつまで経っても書き終わりませんよ!
    しかし清水さんは、後半は一日30枚以上を書くそうです。
    ……これって清水さんが尻上がりなだけじゃないか、とか思いました。

    もともと清水さんは「自分はこう書いている、を本にする」と冒頭でおっしゃっていましたからね。
    逆に最初にロケットスタートを切って、終盤に時間をかける作家さんもいるかもしれません。

    プログラムをする業界に、こんな言葉があるそうです。
    「コードの最初の90%が開発時間の90%を占め、残りの10%にさらに開発時間の90%がかかる」
    当初の開発予定時間よりも180%かかってしまうという話だそうです。
    たぶん、そういう作家さんは多いと思います。

    ちなみに清水さんは、こんな終わり方が良いと言っていました。
    「ぼくが中原さんを見たのは、その時が最後だった。でもぼくは、中原さんのことを一生忘れない。それだけは、絶対だ」
    素晴らしい!
    この小説を売ってくれ!
    気になる!
    話の中身が気になるよ!
    逆に、終わりから書き始めても面白いかもしれないとか思いました。


    さて一人称と三人称と二人称の書き方について、具体例を交えて書いてありました。
    しかし、私には書けない!
    全文を書き出すには長いですし、概要だけ書いたらチンプンカンプンです。
    これはもう興味ある人に買って読んでもらうしかないっす。
    単純に読み物としても面白いので、人称に興味ない方も買ってみたらいかがでしょうか。


    ちなみに「おわりに」のところで清水さんの言葉で終わりたいと思います。
    小説をよく読み、好きな傾向のものを手本として、修行のためにたくさん書き、他人に読んでもらって感想や意見を聞き、新人賞には一度や二度落選してもめげず、応募を重ねる。どう書けばうまいと言ってくれるのかを、ずっと考えている人。そういう人ならば、10人いればそのうち1人は小説家になれるんじゃないかな、と私は思う。それでも10人に1人か、と思うだろうが、あとの9人は時代と友達になれなかった、運の悪い人なのだ。そういうことはままあるものなので、何か別の目標を探そう。
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    <ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島>

    敵対する両家。その子供同士が恋に落ちる。
    それが世界の崩壊すらも引き起こす大問題に発展してしまう。
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